
目次
🤕 子どもの痛みは「体」だけで決まらない
同じように転んでも、
・すぐ立ち上がる子
・いつまでも痛がる子
がいるのは、なぜでしょうか。
痛みは、ケガの大きさだけで決まるものではありません。
👉 脳がその刺激をどう解釈したかで決まります。
痛みは、
🟡 感覚
🟡 感情
🟡 不安
🟡 記憶
が合わさって生じる、脳の体験です。
📌 「三つ子の魂百まで」は、痛みにも当てはまる
「三つ子の魂百まで」とは、
🧒 幼い頃に身についた
🧠 感じ方や考え方は
👨🦱 大人になっても変わりにくい
という意味のことわざです。
これは根性論ではなく、
脳科学的にも正しい考え方です。
とくに
👉 痛みをどう受け取るか
という感覚は、幼少期に強く学習されます。
🧠 痛みの感じ方を左右する「扁桃体」
痛みと、
😨 不安
😱 恐怖
を結びつける脳の部位が、扁桃体です。
扁桃体は、
・痛み
・不安
・恐怖
・危険の予測
をまとめて処理する、
🚨 脳の警戒装置のような役割をしています。
この扁桃体は、
3〜4歳ごろから
小学校低学年(7〜8歳)ごろまで
にかけて急速に発達します。
この時期に、
・何をどれくらい危険と感じるか
・痛みをどう受け取るか
という反応のクセが刻み込まれます。
👉 幼稚園〜小学校低学年くらいは、
痛みの感じ方を学ぶ、かなり大事な時期です。
👶 子どもは「痛み」より「親の反応」を学ぶ
子どもは、
・この痛みは大ごとなのか
・どれくらい不安になるべきなのか
を、親の反応から学びます。
😱 親が強く心配する
🚑 大事件のように扱う
これが続くと、脳はこう学習します。
⚠️ 痛みは危険
⚠️ 動かないほうがいい
これは甘えでも弱さでもありません。
🧠 脳が環境に適応した結果です。
⚠️ 虐待と過保護は「脳の行き着く先」が似ることがある
ここは、いちばん誤解されやすいところです。
先に言っておきます。
親を責める話ではありません。
ただし、
脳の学習という視点で見ると、
結果として似た状態に行き着くことがあります。
🧠 脳の反応で見ると、こうなる
| 視点 | 虐待 | 過保護・過干渉 |
|---|---|---|
| 子どもが置かれる環境 | 実際に危険が多い | 危険だと繰り返し伝えられる |
| 子どもが学習すること | 常に警戒しないといけない | 常に警戒しないといけない |
| 扁桃体の状態 | 過活動 | 過活動 |
| 痛みの受け取り方 | 危険・脅威 | 危険・脅威 |
| 結果 | 痛みに過敏になる | 痛みに過敏になる |
脳は、
何が起きたかより
どう学習したかを重視します。
そのため、
・危険が多い環境
・危険だと強く教えられる環境
どちらでも、
扁桃体が常に緊張した状態になり、
痛みを強く感じやすくなることがあります。
🔁 幼少期の扁桃体の形成は、大人の慢性痛につながる
ここが、いちばん大事なポイントです。
近年の研究では、
大人の慢性痛でも、扁桃体の過活動が深く関与している
ことが分かっています。
慢性腰痛
原因不明の痛み
線維筋痛症
こうした痛みでは、
🦴 ケガや炎症そのもの
よりも
😰 不安や恐怖と結びついた
🧠 脳の反応
が、痛みを長引かせているケースが
少なくありません。
つまり、
👉 幼少期(3〜8歳ごろ)に作られた
痛みの感じ方のクセが、
大人になってからの慢性痛に
影響する可能性がある
ということです。
🏥 小児専門ペインクリニック外来で見てきた現実
僕は大学病院勤務時代、
小児専門ペインクリニック外来の立ち上げに
携わっていました。
そこに来ていたのは、
・検査では異常がない
・でも本人は本当に痛い
そんな子どもたちでした。
印象的だったのは、
虐待を受けている子が一人もいなかったことです。
多くは、
👨👩👧 子どもを大切に思い
😕 どう関わればいいのか分からず
悩んでいる親御さんでした。
💬 今日からできる「安心を伝える声かけ」
軽いケガなら、これで十分です。
🩹 ツバでも塗っとき~
😄 派手に転んでもーたな~笑
🏅 怪我は男の勲章やで
冗談っぽく、軽く。
👉 大事件にしないことが大切です。
🤔 なぜ、これが大事なのか
子どもは、
言葉より先に
👀 親の表情
🎤 声のトーン
を覚えます。
親が落ち着いていれば、
子どもの脳も、
「この痛みは、そこまで怖くないんやな」
と学習します。
この積み重ねが、
🧠 将来、痛みに振り回されにくい脳を作ります。
📝 最後に
親の心配は、愛情です。
子どもの痛みも、本物です。
誰も悪くありません。
ただ、
日常のちょっとしたケガを
どう扱うか。
その積み重ねが、
子どもの脳に
痛みとの付き合い方を教え、
大人になってからの慢性痛にも
影響する可能性があります。
この話が、
少し肩の力を抜くヒントになれば、
それだけで、子どもの未来は変わりはじめます。
📚 参考文献
-
Langer SL, Romano JM, Levy RL, Walker LS, Whitehead WE.
Child Health Care. 2009;38(3):169-184. -
Cunningham NR, Lynch-Jordan A, Barnett K, et al.
J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2014;59(6):732-738. -
Bussières A, Hancock MJ, Elklit A, Ferreira ML, et al.
Eur J Psychotraumatol. 2023;14(2):2284025.






