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😣「帯状疱疹は治ったのに、まだ痛い…」それ、放っておかないでください
✔ ピリピリ・チクチクとした痛みが続く
✔ 軽く触れただけで強く痛む
✔ 痛み止めを飲んでもあまり効かない
こうした症状は「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれます。
ウイルスによって神経が傷つき、治った後も痛みの信号を出し続けてしまう状態です。
🛌 放置すると、生活に深刻な影響を与えることも…
・痛みがひどくて夜も眠れない
・人との会話や外出すらつらくなり、うつ状態になる
・重症の場合、運動麻痺などの神経障害が残ることもあります
こうした状態になる前に、できるだけ早く痛みを抑えることが大切です。
💊 内服薬だけで抑えきれない痛みもあります
PHNの治療に使われる薬(プレガバリン、デュロキセチンなど)は有効な一方で、
高齢の方では以下のような副作用が出やすくなります:
・強い眠気
・ふらつきや転倒のリスク
・食欲低下・便秘・認知機能への影響
🗣 院長の考え
これまで多くの帯状疱疹後神経痛の患者さんを診てきました。
高齢者では薬の副作用により、日常生活が制限されてしまうことも少なくありません。
私は、帯状疱疹後神経痛には神経ブロックによる治療こそが、安全かつ効果的に痛みを軽減できる方法だと考えています。
🔍 なぜ神経ブロックが有効なの?
帯状疱疹後神経痛では、神経の損傷によって痛みの信号が持続的に出続ける状態になります。
この痛みが長く続くと、脳や脊髄が敏感になり、**中枢感作(痛みの慢性化)**が進行してしまいます。
そこで、神経ブロックは次のように働きます:
✅ 神経の過剰な興奮を直接抑える
✅ 痛み信号の伝達を一時的に遮断し、脳に「痛くない」と再学習させる
✅ 内服薬よりも局所にピンポイントで作用する
✅ 慢性化・不眠・うつ症状の予防にも効果
発症早期の神経ブロックで、PHNの発症率を下げたという研究報告もあります。
💉当院で行う神経ブロック治療
当院では、以下のような症状や部位に応じたブロック治療を行っています。
● 硬膜外ブロック(X線透視下)
背中・体幹・下肢の広い範囲の痛みに対応。
慢性化予防にも効果的なベースとなる治療です。
● 神経根ブロック(X線透視下)
脊椎から出る神経の出口を狙う精密なブロック。
ピンポイントでの効果が期待できます。
● 肋間神経ブロック(超音波ガイド下)
胸・背中・脇腹に帯状疱疹が出た場合に有効。
比較的浅い場所にあり、安全性が高いのが特徴です。
● 星状神経節ブロック(超音波ガイド下)
顔や首・腕に痛みがある場合に使用。
自律神経の緊張を抑え、睡眠や精神症状にも効果があります。
● 顔面末梢神経ブロック(眼窩上・眼窩下・おとがい神経など/超音波ガイド下)
額、頬、あごなどに帯状疱疹が出た際に用います。
顔に痛みが残るとQOLに大きく影響するため、早めの対応が重要です。
💬 抗凝固薬を服用中の方へ
ワーファリンやバイアスピリンなどの血液をサラサラにする薬を服用中の方でも、ブロックの種類によっては施行可能です。
当院では安全性を第一に、超音波やX線を用いて慎重に対応しています。
「注射はできないかも…」とあきらめる前に、まずはご相談ください。
✅ まとめ
・帯状疱疹後の神経痛は、慢性化する前の早期治療がとても大切
・高齢者や内服薬の副作用が心配な方には、神経ブロックが安全で効果的な選択肢
・三国・新大阪エリアで、専門医によるブロック治療を希望される方はぜひ当院へご相談ください
📅 ご予約はWEBまたはお電話でお気軽にどうぞ!
📚 参考文献
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Johnson RW, Rice AS. Postherpetic neuralgia. N Engl J Med. 2014;371(16):1526–33.
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van Wijck AJ, et al. Epidural steroids for acute herpes zoster neuralgia (PINE study). Lancet. 2006;367(9506):219–27.
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Makharita MY, Amr YM. Early stellate ganglion block reduces PHN. Pain Physician. 2012;15(6):467–74.